2022年11月2日・水曜日。第518回越谷市郷土研究会史跡めぐり兼越谷リバーウォークガイドツアーに同行。越谷駅東口を起点に葛西用水中土手から逆川緑道を歩いて定使野公園までの史跡や寺社を巡った。

越谷リバーウォーク|2022年11月2日

越谷リバーウォークのポスター

越谷リバーウォークガイドツアーは、越谷市内の川辺の遊歩道や緑道を散策して「水郷こしがや」の魅力を探すイベントで、全3コース。スタンプラリーも兼ねている。
 
NPO法人住まい・まちづくりセンター、NPO法人越谷市郷土研究会、越谷市住まい・まちづくり協議会が主催。

主な見学先

今回のガイドツアーは市内中部を巡る越谷リバーウォークBコースの前半。主な見学先は◇宮前橋◇葛西用水元荒川伏越◇地蔵橋◇光明院◇キャンベルタウン公園◇高畑稲荷神社◇定使野公園と伏越……など。

今回の目玉は、

今はなき光明院(こうみょういん)薬師堂のご本尊である薬師如来座像の特別拝観。ふだんは見学できないので、薬師如来さまにお目にかかれるというのは嬉しい。

集合・受付

越谷駅東口

集合場所は東武伊勢崎線・越谷駅東口。集合時間は午前8時20分。受付担当者に参加費を払って資料をいただく。

ガイドあいさつ

出発前のあいさつ

今回の参加人数は23人。出発前に案内役をつとめる越谷市郷土研究会・副会長の秦野氏のあいさつと、今回のツアーの見どころやスタンプラリーの説明があった。

集合写真撮影

集合写真

越谷リバーウォークを主催する越谷市住まい・まちづくり協議会の若色(わかいろ)会長と越谷市郷土研究会の渡邊会長も参加。全員で集合写真を撮ったあと、午前8時30分、越谷リバーウォークガイドツアー出発。

出発

市役所前中央通り

市役所前中央通りを直進。「越谷2丁目」交差点を過ぎて、ひとつ目の信号を越えると、左手に越谷市役所が見える。

越谷市役所

越谷市役所

新本庁舎は、2021年5月に落成したばかり。1969年(昭和44年)に建築された旧本庁舎は、築52年が過ぎて老朽化が進み、耐震診断でも危険性が指摘されたので、2019年3月から建て替え工事が進められていた。

相扶共済の石碑

相扶共済の石碑

新本庁舎の前に建っている石碑は、越谷市の有形文化財(歴史資料)にも指定されている「相扶共済」(そうふきょうさい)の石碑。
 
生活困窮者救済のため、昭和11年(1936年)に相互扶助を目的として成立した「越ヶ谷順正会」の功績をたたえ、昭和23年(1948年)に建立された。

平和橋

平和橋

平和橋にさしかかる。橋の下を流れているのは葛西用水。平和橋の先、元荒川に架かっている橋は、新平和橋。

案内役・秦野氏

元荒川に架かる新平和橋と、葛西用水に架けられている平和橋は、つながっていて、ひとつの橋のように見えますが、別々の橋です。


平和橋を渡って左折。中土手(なかどて)に入る。

中土手

中土手

中土手は、葛西用水と元荒川の間にある遊歩道。葛西用水中土手(かさいようすいなかどて)とも呼ばれる。
 
現在は、中土手を隔てて、葛西用水と元荒川が流れているが、かつては、このあたりは瓦曽根溜井(かわらぞねためい)と呼ばれる溜め池だった。それを葛西用水と元荒川の二つの水路に分離させ、その間に中土手を築いた。

案内役・秦野氏

「用排水分離」は、カスリーン台風以後の抜本的な「水害対策」が要因です。


葛西用水を大沢地蔵橋の地先(ちさき)で元荒川と切り離し、元荒川の下を伏越(ふせごし)でくぐらせて、越ヶ谷御殿町から柳町まで新水路を開いた。
 
案内役・秦野氏

この瓦曽根溜井の分離工事で、柳町(やなぎちょう)から瓦曽根溜井までは、新水路と元荒川の二筋の流路となり、その間に中土手が築かれ、遊歩道として整備されました。


中土手は多くの市民の憩いの場として親しまれている。

コシガヤホシクサ発見場所

コシガヤホシクサ発見場所

中土手の左手、葛西用水の右岸沿いに藤だな通りが見える。
 
案内役の秦野氏から「昔、このあたりの元荒川付近で、新種の植物(ホシクサ)が発見され、発見地である越谷にちなんで『コシガヤホシクサ』と命名された」という説明があった。

案内役・秦野氏

「コシガヤホシクサ」は、1938年9月に旧越ヶ谷町の元荒川の砂州(瓦曽根溜井)で発見されたあと、野生種の絶滅をへて、奇跡的に残った種子をもとに、現在、人工的に栽培されている「絶滅危惧種」の貴重な植物です。

関連情報

2018年9月22日、発見80周年を記念した「コシガヤホシクサシンポジウム」が開催され、発見場所が特定された。秦野氏が、Twitter で、発見場所の地図やコシガヤホシクサの写真を公開している。


コシガヤホシクサの説明を終えた秦野氏が、対岸を指さして言った。