境内の風景
遠景|今昔写真

向畑香取神社の今昔
上の写真の上段(カラー写真)は、2026年5月19日に私が撮影した向畑香取神社。下段の白黒写真は、47年前、昭和54年(1979年)ごろ撮影された向畑香取神社(※4)
現在は、神域はフェンスで囲まれているが、昭和54年当時は、フェンス囲いにはなっていなかった。写真の手前に写っている畑は今も変わらず畑になっている。
※4 白黒写真の出典:越谷市デジタルアーカイブ( 向畑香取神社 )
幟立て

境内の入口(両脇)にあるのは、江戸後期・天保13年(1842)建立の幟立て。
鳥居に向かって左側の幟立てには「願主 氏子中」の銘、右側の幟立てには、「天保十三年壬寅十一月吉日」のほか「世話人」の銘が確認できる。
敷石建立供養塔

右側の幟立てのうしろにある石塔は、江戸後期・天保8年(1837)造塔の敷石建立供養塔(しきいし こんりゅう くようとう)。上述したので説明は省略。
参道

入口から拝殿まで石畳(敷石)の参道が続いている。写真の手前、右手の石塔は、敷石建立供養塔。
敷石を寄進したことを記念して天保8年(1837)に建てられたので、その後、敷石を入れ替えてなければ、現在の敷石は、189年前(天保8年/1837年)当時のまま残っていることになる。
石鳥居

花崗岩(かこうがん)の石鳥居は靖国型。昭和30年(1955年)建立。貫(ぬき)には、細いしめ縄が張られている。
旧・鳥居の台石

鳥居をくぐった先(参道両脇)に、江戸後期・嘉永5年(1852)の台石が一対置かれている。うっすらと「嘉永五年壬子」の銘が読みとれる。おそらく、旧・鳥居の台石だろう。
御神燈

御神燈は、江戸後期・文政2年(1819)建立。竿の部分に「御神燈」「文政二年己卯十一月吉旦」の銘が刻まれている。竿の部分は新しいので補修したようだ。
境内社

境内社は、参道両脇に 5社、本堂裏手に 2社、計7社あるが、中にご神体(ごしんたい)が祀られているのは 2社。種別不明の小祠(しょうし)が安置されているのが 1社、中が空(から)になっているのが 4社ある。
中が空になっている境内社もかつては中に神様(ご神体)が祀られていたと思われる。
記念碑

参道の中ほど右手に、自然石に「紀念」と刻まれた、明治40年(1907)建立の石碑が建っている。
裏面には、碑銘が刻まれているが、書き出し部分の「当社の境内附属地壱反弐畝拾六歩……」のほか、部分的に読みとれる箇所もあるが、全体の内容は確認できなかった。
『越谷ふるさと散歩(下)』(※5)に、この記念碑の碑銘について記されているので、以下、抜粋・引用する。
(明治四十年建碑の)碑銘には、当社の境内附属地一反二畝十六歩は、明治六年上地となって国有林に組み入れられていたが、明治三十五年売り払いの告知があったので、氏子一同は協力して境内地の払い下げを受け、あらためて杉苗木を植林した旨が刻まれている。
引用元:『越谷ふるさと散歩(下)』(※5)
※5 越谷市役所『越谷ふるさと散歩(下)』越谷市史編さん室(昭和55年4月30日発行)「向畑香取神社」16頁
遊び場

記念碑の裏手は遊び場になっている。鉄棒・滑り台・ブランコがあるが、ブランコのチェーンと座板は、はずされている。どの遊具もかなり古びていて、今は、この遊び場で遊ぶ子どもたちは、いないようだ。
拝殿

拝殿は、銅板葺きの格子戸造り。軒下には、本坪鈴(ほんつぼすず)と、紅白の鈴緒(すずお)が吊るされている。
本殿

本殿の様式は流れ造り。昭和46年(1971)に再建された。
『埼玉の神社(北足立・児玉・南埼玉)』(※6)に、本殿についての記載があるので、以下、抜粋・引用する。
当社(向畑香取神社)の本殿の屋根は、本来、草葺き(くさぶき)で、古くなるたびに氏子が力を合わせて葺き替えを行なってきたが、建物の老朽化が目立つようなったため、昭和46年(1971)に銅板葺きの本殿が、新たに建立された。
引用元:『埼玉の神社(北足立・児玉・南埼玉)』(※6)
※3 埼玉県神社庁神社調査団編『埼玉の神社(北足立・児玉・南埼玉)』埼玉県神社庁(平成10年3月31日発行)「向畑香取神社」1174頁
鎮守の杜

境内全域に、イチョウやケヤキなどの大木が茂っているので、昼間でも薄暗い。とくに本殿の周囲は静かで鎮守の杜(もり)という雰囲気が漂っている。
場所

向畑香取神社住所は、埼玉県越谷市向畑831( 地図 )。場所は、越谷市立新方(にいがた)小学校の南東、平方東京線と大杉公園通りの中間にある。
参考文献
本記事を作成するにあたって、引用した箇所がある場合は文中に出典を明示した。参考にした文献は以下に記す。
加藤幸一「新方地区の石仏」平成7・8年度調査/平成31年1月改訂(越谷市立図書館蔵)
越谷市史編さん室編『越谷ふるさと散歩(下)』越谷市史編さん室(昭和55年4月30日発行)
埼玉県神社庁神社調査団編『埼玉の神社(北足立・児玉・南埼玉)』埼玉県神社庁(平成10年3月31日発行)
『新編武蔵風土記稿 第十巻(大日本地誌大系)⑯』雄山閣(平成8年6月20日発行)
外山晴彦・『サライ』編集部編『歴史が分かる、腑に落ちる神社の見方』小学館(2007年7月15日 初版第6刷発行)
日本石仏協会編『石仏巡り入門―見方・愉しみ方』大法輪閣(平成9年9月25日発行)
日本石仏協会編『新版・石仏探訪必携ハンドブック』青娥書房(2011年4月1日発行)





