2021年11月10日。越谷技博(こしがやわざはく)の講座「手回しオルゴールの世界」に参加した。講師はオルガニート(手回しオルゴール)演奏家・武田知絵美(C-comb.〔シーコーム〕)さん。会場は蒲生にある「コミュニティ cafe そらはな」。手回しオルゴールの仕組みを学んだあとは自作の曲カードづくりにも挑戦。コーヒータイムにはミニ演奏会が行なわれ、オルガニートの音色に魅了された。

越谷技博2021

越谷技博|手回しオルゴール講座

今年(2021年)で二回目の開催となる越谷技博。(株)ものづくり越谷と越谷市観光協会が主催するイベントで、伝統工芸の職人や店舗経営者、一般市民らがそれぞれの仕事や特技を生かした講座を越谷市内各所で開催。プログラムの数は約150、講師は100人を超え、巧みの技や越谷の魅力に触れることができる。

新型コロナ対策にも配慮

三密を避けるべく少人数制・会場の分散など新型コロナ対策にも最大限配慮しながら市民が安心して参加・交流できる場として企画された越谷技博。2021年は11月6日・土曜日から12月12日・日曜日までの37日間にわたって開催される。

手回しオルゴールの世界

コミュニティ cafe そらはな(越谷市蒲生本町)

講座(手回しオルゴールの世界)は、午前10時半開始。正午終了予定。10時20分に会場の「コミュニティ cafe そらはな」に着いた。

受付

参加費(ドリンク&おまけ付き)を払って、今日の講座内容が書かれた資料をもらった。今日の参加者は、ボクのほかに男性ひとり(Kさん)、女性ひとり、計三人。女性は、そらはなの代表・長野さん。三人、距離をとって、各テーブルに座った。

オープニング演奏|ドレミのうた

手回しオルゴールを演奏する武田知絵美さん

10時半。講師をつとめるオルガニート(手回しオルゴール)演奏家・武田知絵美さんから今日のスケジュールが説明されたあと、あいさつがわりに「ドレミのうた」を聞かせてくれた。じつにやさしい音色だ。

講義|オルガニートの仕組みと構造

オルガニート各種

オープニング演奏のあと、オルガニート(※1)の構造や音の出る仕組みなどについての解説が行なわれた。オルガニートとは、パンチカードを使った手回しオルゴールのこと。

オルガニート演奏家・武田知絵美さん

曲カードを入れて、ハンドルを軽く回すだけで演奏できますので、小さなお子さまから高齢者の方まで、音符が読めなくても手軽に音楽が楽しめます。紙製の曲カードに自分で穴をあけて(パンチして)オリジナルの曲カードもつくれます。今日は後半で、オリジナルの曲カード作りにも挑戦してもらいますね。

※1 「オルガニート(R)」は日本電産サンキョー株式会社の商標および商品名。1970年(昭和45年)に、長野県諏訪にある株式会社三協精機製作所(現・日本電産サンキョー株式会社)によって開発・製造・販売が開始された。出典:オルガニート愛好会「オルガニート(R)」とは( https://organette.jimdofree.com/organette/

へ~、そうやって音が出るんですね

音の出る仕組みの解説

「オルガニートの(音を出す)くし歯は20本あって、くし歯が長いと低い音、短いと高い音が出ます」。受講者のKさん。音の出る仕組みに興味津々。

オルガニートの種類

続いての解説はオルガニートの種類について。

電動オルガニート(R)「リズミカ」

電動オルガニート@「リズミカ」

1970年代に、三協精機(現・日本電産サンキョー株式会社)から発売された電動オルガニート(R)「リズミカ」。パンチカード式の電動オルゴールだ。乾電池三本を使用。曲カードを差し込むと自動的にスイッチが入って、演奏がはじまる。側面のつまみで速さも変えられる。このリズミカは武田さんがインターネットのオークションサイトで見つけて落札。手に入れたそうだ。

リズミカで「小さな世界」を自動演奏

リズミカ(パンチカード式電動オルゴール)

リズミカで自動演奏を聴かせてくれた。曲名は「小さな世界」(It’s a small world =イッツ・ア・スモールワールド)。製造されてから50年近くたっているせいか、劣化の影響もあるのだろが、手回しオルゴールよりもやや硬い音というか、機械的な音色に聞こえる。当時は画期的な製品だったのではないかと思われる。

かわいい木製オルガニート(R)

木製オルガニート(R)

こちら(上の写真)は、木製のオルガニート@。かわいいワンちゃんが犬小屋から顔をのぞかせている。

曲に合わせてワンちゃんの首が回る

木製手回しオルゴール

曲カードを入れてハンドルを回すと、曲に合わせてワンちゃんの首が回る。この姿が、なんともいえずかわいい。小さなお子さんは大喜びするに違いない。残念ながら非売品。

連弾オルガニート(R)

連弾オルガニート(R)

続いては、連弾オルガニート(R) 。木製の箱の上に二つのオルゴールが横に並べて設置されている。この連弾オルガニート(R) は、武田さんが師と仰ぐ男性から譲り受けたそうだ。

ゆらぎや音の強弱が表現できる

連弾オルガニート(R)の演奏

連弾オルガニート(R) は、二枚の同じ曲カードを同時に入れて演奏する。

オルガニート演奏家・武田知絵美さん

二台のオルゴールで同じ曲を同時に演奏(同音連打)することで、音のやらぎや強弱が表現できます。一台のオルゴールだけでは表現しにくい、トリル奏法やトレモノ奏法のような音を出すこともできます。


どんな音になるのか、武田さんが「連弾の雰囲気が出る」というバッハのインベンション13番を演奏してくれた。その様子を動画で撮影して YouTube にアップした。

バッハ・インベンション13番|連弾オルガニート(R)
連弾オルガニート(R)でバッハのインベンション13番を演奏する武田さん。音の強弱と幅が増幅されているように聞こえる。通常のオルガニート(R)とはまた違った味わいがある。
前半はここで終了

手回しオルゴールを聴きながらコーヒーブレイク

コーヒーブレイクをはさんで、後半は自作の曲カードづくりに挑戦した。コーヒーブレイク中にはミニ演奏会が行なわれた。