境内の風景

表参道

表参道

道路(北越谷停車場線)に面した入口から山門まで、50メートルほど石畳の参道が続いている。参道の右側は駐車スペース。長塀も美しい。

馬頭観世音文字塔と墓標

馬頭観世音文字塔と墓標

参道の左手に三基の石塔が並んでいる。右端は地蔵菩薩立像が浮き彫りされた墓標。真ん中と左端は「馬頭観世音」と刻まれた駒型の文字塔。もともとは別の場所にあったものをここに移したと思われる。

六地蔵

六地蔵

瓦葺きコンクリート造りの鞘堂には、赤い帽子と赤い前垂れ姿の六地蔵が安置されている。六地蔵の台石には、「寛延三庚午」「寛延四辛未」「大沢町中組」「大沢町下組」「大房村」「念佛講中」(※1)などの文字が確認できる。

※1 かつて浄光寺周辺の村々では、60歳前後の女性が集まって、「念仏講」という会合を開いていた。浄光寺でも4月10日にはてんとう念仏(十日念仏)と呼ばれる行事が行なわれていたが、昭和43年(1978)に姿を消した。

山門と黒松

山門と黒松

山門の裏手に高くそびえ立つのは黒松。樹齢は不明だが、浄光寺の建立当時からあったと伝えられている古木で、寺を象徴する景観のひとつにもなっている。
 
老松を見上げて語る幾山河
今日の安らぎ後に伝へん(渋谷りん)

明光観音

明光観音

山門をくぐった右手、黒松の下にある観音像は明光観音。平成16年(2004年)7月に建立された。明光観音の横にある黒い石碑の裏面には建立年月日と寄進者の名前が刻まれている。

本堂

本堂|浄光寺

山門の先には荘厳な本堂がたたずんでいる。現在の本堂は平成9年(1997年)に新築された。昭和43年(1978年)12月に改築されるまで、本堂は茅葺き屋根の木造だった。
 
本堂には本尊の聖観世音菩薩坐像が安置されているほか、弘法大師蔵と興教大師(こうぎょうだいし)像が祀られている。
 
また、本堂の余間(よま)には、旧・大房村(現在の北越谷三丁目)にあった摩利支天堂(まりしてんどう)と、本尊の不動明王像が、修復されて合祀されている。

庭池

高浜虚子句碑と庭池

境内にある庭池(にわいけ)。池の周囲には古梅や高浜虚子句碑がある。昔は、夏の時期になると池には水か満ちあふれ、蓮の花が池いっぱいに咲き誇ったという。

かつては鳥小屋もあった。

庭池

昭和40年(1960年)ごろまで、池のほとりには大きな鳥小屋があって、ベニスズメ・カナリア・インコのほか、ホロホロ鳥やキジバトなどが雑居していた。本堂前のヒバの木の上では、毎年、シラコバトが巣を作って子育てをしたそうだ。
 
今は当時の様子を知るよしもないが、庭池の前に立って当時に思いをはせると、鳥たちの鳴き声が聞こえてくるようだ。

浄光観音

浄光観音

客殿と梅照殿(斎場)の間で大きな観音様が鎮座している。この白い石像は浄光観音。平成13年(2001年)3月に建立された。ふっくらとしたお顔にやわらかな体つき。やさしく見守ってくださっている。
 
境内には、本堂のほかに薬師堂や五智如来堂などの諸堂もある。