境内

境内

神社の境内は、道路に面して、階段3段分高くなっている。盛り土された神域はコンクリートで固められている。

鳥居

境内

階段をのぼってやや左に石鳥居がある。昭和62年(1987年)1月建立。鳥居の形式は明神鳥居(みょうじんとりい)。しめ縄が張られ、神額には「天満宮」と記されている。

旧鳥居台石

鳥居の台石

石鳥居の台石近くに、旧・鳥居の台石が二個置かれている。旧鳥居は木の鳥居だった。
 
昭和55年(1980年)4月30日発行の『越谷ふるさと散歩(下)』にも「古びた木の鳥居をくぐると…」(※3)と記されている。

※3 越谷市役所『越谷ふるさと散歩(下)』越谷市史編さん室(昭和55年4月30日発行)「鷺後用水路沿いの神社」105頁

手水鉢

手水鉢

石鳥居をくぐった右手、トタン葺きの鞘堂(さやどう)に置かれているのは、大正13年(1924)奉納の手水鉢(ちょうずばち)
 
側面に「御成婚紀念」「大正十三年五月」と刻まれていることから、この手水鉢は、大正13年(1924年)1月26日に執り行なわれた、皇太子時代の昭和天皇のご成婚を記念して奉納されたものだ。
 
裏面には世話人6人の名前が刻まれている。
 
この年(大正13年)は、皇太子時代の昭和天皇のご成婚を記念して、全国各地で盛大な奉祝行事や展覧会が開催された。

敷石記念碑

敷石記念碑

鳥居に向かって左端にある自然石の石碑は「敷石記念碑」。表面に大きく「敷石紀念碑」と刻まれている。
 
裏面に「紀元二千五百五十九年十一月建立」とある。「紀元2559年」は「西暦1899年」(※4)なので、この敷石記念碑は、明治32年(1899)に建立された。

※4 「紀元」(きげん)とは、皇紀(こうき)のこと。皇紀とは、日本の初代天皇とされる武天皇が即位した年を元年とする日本の紀年法で、西暦の年号に「660」を加えることで計算できる。

神域遷宮記念碑

神域遷宮記念碑

鳥居に向かって右手にある自然石の石碑は、昭和62年(1987)建碑の「神域遷宮記念碑」(しんいき せんぐう きねんひ)。正面に「四ッ谷区画整理神域遍宮記念碑」と刻まれている。
 
「四ッ谷」(よつや)とは、かつてのこのあたりの地名(鷺代四ッ谷=さぎしろよつや)。土地区画整理事業に伴い、天満宮をこの場所に移した記念に建てられた。

裏面

裏面には、「天満宮新築」「昭和三十五年一月二十五日建立」、「稲荷神社新築」「昭和六十二年一月二十五日建立」「鳥居新築」「昭和六十二年一月十五日建立」のほか、「昭和六十二年丁卯二月二十五日建立」と、奉納者の名前が刻まれている。

もとは別の場所にあった

天満宮は、もとは現在の場所から50メートルほど下流の道沿いにあった。
 
今は、天満宮は、逆川(さかさがわ=鷺後用水=さぎしろようすい)を臨んで(逆川と垂直に)建っているが、遷座(せんざ)する前は、逆川と並行して建っていた。

遷座前の天満宮

遷座前の天満宮

上の白黒写真(※5)は、昭和54年(1979年)11月に撮影された遷座前の天満宮。向かって左側を流れているのが逆川(鷺後用水)。逆川と並行して神社が建っているのがわかる。

※5 出典:越谷市デジタルアーカイブ( 鷺後天満宮と鳥居

新旧写真

天満宮の新旧写真

上段の白黒写真(※6)は遷座前の天満宮。下のカラー写真は、ほぼ同じ場所から撮影した旧・天満宮跡地(2026年6月14日撮影)
 
遷座前は、神社のすぐ脇を逆川(鷺後用水)が流れていたが、現在は、逆川は整備され、逆川と神社の間を(逆川に沿って)遊歩道(逆川緑の道)が通っている。

※6 出典:越谷市デジタルアーカイブ(鷺後天満宮と鳥居)

鷺代溜井

鷺代溜井跡

かつて、逆川(鷺後用水)は、現在の天満宮あたりから100メートルほど下流に向かって(現在の新土橋あたりまで)川幅が広がっていて、その場所は「鷺後溜井」(さぎしろためい)と呼ばれた。
 
『越谷ふるさと散歩(下)』にも「天満宮のある所から堤防道は用水路と離れて湾曲しているが、この湾曲した箇所はもと鷺後溜井が設けられていた所であり、堤防の迂廻道はその溜井跡の名残である」(※7)とある。

※7 越谷市役所『越谷ふるさと散歩(下)』越谷市史編さん室(昭和55年4月30日発行)「鷺後用水路沿いの神社」105頁

 
上の写真の逆川両岸一帯が「鷺後溜井」だった。今は溜井の面影はまったく残っていない。

天満宮

天満宮

石畳の参道の先にある瓦葺き観音開きの小さな社(やしろ)は、本社(ほんしゃ)の天満宮。昭和35年(1960年)1月25日に再建された。

稲荷社

稲荷社

天満宮の隣にあるのは稲荷社。昭和62年(1987年)1月25日再建。祠(ほこら)の中に「稲荷」の文字が刻まれた石塔(ご神体)が納められている。

場所

鷺代の天満宮|越谷市東大沢

鷺代四ッ谷天満宮の住所は埼玉県越谷市東大沢3-10。場所は、逆川(さかさがわ)に架かる逆川橋と新土橋の中間地点、逆川緑の道沿い( 地図

参考文献

本記事を作成するにあたって、引用した箇所がある場合は文中に出典を明示した。参考にした文献は以下に記す。

参考文献

越谷市役所『越谷ふるさと散歩(下)』越谷市史編さん室(昭和55年4月30日発行)
『わたしたちの郷土こしがや(第一集)』越谷市教育委員会(昭和56年8月30日発行)
『ときの風~ふるさと大沢今昔物語』大沢地区コミュニティ推進協議会(2018年4月発行)
加藤幸一「大沢町・越ヶ谷町の石仏」平成13年度調査/平成31年7月改訂(越谷市立図書館蔵)
越谷市郷土研究会・河川史研究倶楽部(2013)「大沢町巡検」資料(https://koshigayahistory.org/423.pdf)(2026年6月28日閲覧)
外山晴彦・『サライ』編集部編『歴史が分かる、腑に落ちる神社の見方』小学館(2007年7月15日 初版第6刷発行)
日本石仏協会編『新版・石仏探訪必携ハンドブック』青娥書房(2011年4月1日発行)
日本石仏協会編『石仏巡り入門―見方・愉しみ方』大法輪閣(平成9年9月25日発行)