国の有形文化財(建造物)に登録されることになった越谷久伊豆神社の本殿・神楽殿・手水舎(てみずしゃ)三棟の美しい造形を写真に収めた。
久伊豆神社の有形文化財
2024年11月22日。越谷の総鎮守・久伊豆神社の本殿(ほんでん)・神楽殿(かぐらでん)・手水舎(てみずしゃ)の三棟が、国の有形文化財(建造物)に登録される見込みとなった。(※1)
※1 越谷市「越谷久伊豆神社の本殿・神楽殿・手水舎が国登録有形文化財へ」(https://www.city.koshigaya.saitama.jp/citypromotion/rekisibunka/bunkazai/kunitourokukoshigayahisaizujinja.html)(2024年12月15日閲覧).
越谷市民としてはうれしいかぎり。
国の有形文化財に登録される三つの建物を写真とともに紹介していく。
- 手水舎
- 神楽殿
- 本殿
手水舎
手水舎(てみずや)は、第三鳥居をくぐった右手、藤棚の前にある。
総欅造りで、屋根を支える横木の部分には、鯉が化して龍になる登竜門の立派な彫刻が施されている。建立の年代はつまびらかではないが、江戸末期の建設とされている。(※2)
※2 手水舎は老朽化により平成28年(2016)に修繕が行なわれた。
手水鉢
手水鉢(ちょうずばち)は、江戸後期・嘉永2年(1849)に越ヶ谷宿中町の伊勢屋太兵衛によって奉納された。正面には久伊豆神社の社紋である右離れ立葵(みぎはなれたちあおい)が施されている。
神楽殿
神楽殿(かぐらでん)は、手水舎を過ぎた境内右手にある。
明治前期の建設で、昭和中期に改修。昭和49年(1974)に今の場所に移築された。構造は入母屋造妻入銅板葺(いりもやづくり つまいり どうばんぶき)。舞台のうしろが楽屋になっている。
神楽殿は神楽(かぐら)を奉納するための舞台。
越谷には古くから農村地帯を中心に多くの神楽師がいた。現在もいる。久伊豆神社では、毎年4回、地元の神明(しんめい)神楽連中によって神楽が奉納されている。
神楽殿で神楽が奉納されるのは、4月29日の藤祭太々講神楽、9月28日の例祭、旧暦10月晦日のおかがり祭、12月15日の縁起市。
本殿
本殿は、江戸後期・寛政元年(1789)に建立された三間社流造(さんげんしゃながれづくり)のきらひやかな造り。随所に施されている精巧な彫刻に目を奪われる。
外拝殿も美しいが、本殿の造形は、なんともみやび。
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本記事では越谷久伊豆神社の本殿・神楽殿・手水舎に焦点を当てた。久伊豆神社の歴史や見どころなどについては別記事で紹介している。
2020年11月10日。まちづくり越谷及び越谷市観光協会が主催する越谷技博(こしがやわざはく)のイベント「久伊豆神社の神職と境内散策ツアー!」に参加した。講師を務めた神職さん二人の案内で、狛犬・注連縄・力石など境内の知られざる宝物や見どころを約1時間半かけて巡りながら神事や歴史についても学んだ。
参拝情報
越谷久伊豆神社の住所は埼玉県越谷市越ヶ谷1700。郵便番号は 343-0024。駐車場は三箇所、96台分。その他、年間行事やご祈祷などについては、久伊豆神社のホームページで要確認。