旧日光街道大沢宿。江戸時代、越ヶ谷宿の合い宿として栄えた宿場町だ。2025年7月3日、越谷市大沢の旧日光街道沿いに、二階建て築100年の一階を改装した自家焙煎珈琲店・陽の香珈琲(ひのかコーヒー)が開店した。
陽の香珈琲
店主
店主は、越谷市大沢(旧日光街道沿い)で80年、履物店を営んでいる黒田履物店の娘さん。
会社勤めを続けながら、休日は、東京・南千住にあるカフェバッハのトレーニングセンターで、自家焙煎技術第一人者・田口護(たぐち・まもる)氏のもと、修行を重ねること10年。
SCAJ認定アドバンスドコーヒーマイスター、JCQA認定コーヒーインストラクター1級の資格も取得した。
2024年10月に勤めていた会社を退職し、陽の香珈琲(ひのかコーヒー)の開店準備に 8か月。満を持しての開店となった。
焙煎機
焙煎機は、店主の師匠でもあるカフェ・パッハ(東京都台東区)の田口護(たぐちまもる)氏の監修のもと誕生したマイスター(Meister)。日本が世界に誇るコーヒー焙煎機だ。
コーヒー
店主がまごころこめて焙煎するコーヒーは 5種類。
- 深煎…ペルー
- 中深…インドネシア・マンデリン
- 中深…タンザニアAA
- 中煎…コスタリカ
- 浅煎…ブラジル
種類も徐々に増やしていき、ストレートコーヒーだけではなく、ブレンドコーヒー(陽の香ブレンド)もメニューに加える予定。
ハンドドリップ
注文を受けると、ミルで豆を挽き、一杯ずつていねいにハンドドリップしていく。店主の腕の見せどころだ。
カップ&ソーサー
淹れたてのコーヒーは、店主が修行中にコツコツ集めたカップ&ソーサーで出してくれる。ノリタケ、ウェッジウッド、ジノリ1735……どれも素敵。
上の写真のカップ&ソーサーは、イタリアを代表する陶磁器メーカー・ジノリ1735のイタリアンフルーツ。
アイスコーヒー
アイスコーヒーもおすすめ。味はすっきりめ。ゴクゴク飲める。「できればアイスコーヒーはストローを使わずに、そのままストレートで飲んでほしい」(店主)
もちろん言えばストローやミルク・ガムシロップも出してもらえる。
焼菓子
陽の香珈琲は、食事のメニューはないが、焼菓子が三種類いただける。①ベイクドチーズケーキ②バニラパウンドケーキ③ペルーの伝統クッキー(アルファフォールクッキー)……。
チーズケーキとパウンドケーキは地元の洋菓子店から仕入れている。アルファフォールクッキーはイベントやマルシェで大人気の越谷在住ペルー人女性(ベルダおばさん)の手づくり。
コーヒー豆販売
コーヒー豆の販売も行なっている(100グラム単位)。希望に応じて「豆のまま」でも「挽いて」もくれる。上の写真は、深煎りのペルー・エルバルゴマウンテン(豆のまま)
コーヒー器具販売
ドリッパー・サーパー・ペーパーフィルターなど、ハンドドリップに必要な器具も売っている。本格的なペーパードリップに挑戦したいかたは店主に相談すればおすすめの器具を選んでもらえる。
店内風景
白を基調にした店内に入ると、木のぬくもりと、やわらかな雰囲気に包まれる。樹齢400年の杉の一枚板を使ったカウンター席は重厚。店内の随所に置かれている小物のひとつひとつに店主の思いを感じる。上質な空間だ。
陶芸作品
店主は陶芸作家の顔ももつ。陶芸歴は20年。店内には店主の作品がさりげなく飾られているので、見つけて話をふると店主の顔がほころぶことうけあい。
後記
[店主作品]大沢宿灯籠
店の前の道は旧日光街道。江戸(日本橋)から日光を結ぶ街道で、江戸時代は日光道中(にっこうどうちゅう)と呼ばれた。街道沿いは旅籠屋や茶店が軒をつらねる宿場町(大沢宿)として栄え、多くの旅人たちでにぎわった。
陽の香珈琲は、370年の時をへて大沢宿に誕生した、令和の宿場茶屋だ。
営業情報
自家焙煎珈琲・陽の香珈琲(ひのかコーヒー)の住所は、埼玉県越谷市大沢1-12-12( 地図 )。営業時間は11時から16時半。定休日は月火水と第三木曜日。駐車場などの詳細は Instagram で要確認。