恩間新田の石仏

恩間新田薬師堂

恩間新田薬師堂

恩間新田薬師堂。住所は、越谷市恩間新田283。お堂には、薬師三尊像(薬師如来・日光菩薩・月光菩薩)が安置されている。
 
薬師堂の堂宇は、「恩間新田稲荷神社に合祀された香取神社の本殿を転用したもの」という旨が、『埼玉の神社』(※16)に記されている。

※16 埼玉県神社庁神社調査団編『埼玉の神社(北足立・児玉・南埼玉)』埼玉県神社庁(平成10年3月31日発行)「恩間新田稲荷神社」1114頁

薬師堂の裏手は墓地になっている。

三基の墓塔

三基の墓塔

墓地の一画に、三基の墓塔が並んでいる。向かって右から光背型の墓塔(主尊は如意輪観音菩薩)、板碑型の墓塔、舟型の墓塔(主尊は阿弥陀如来)
 
越谷市郷土研究会の加藤幸一氏によると、「地元では薬師堂裏の墓地にお参りに来るときは、これらの石塔に向かって参拝する」(※17)という。

※17 加藤幸一「大袋地区の石仏」平成9・10年度調査/平成27年12月改訂(越谷市立図書館所蔵)90頁

阿弥陀如来像

阿弥陀如来像

上の写真は、三基の墓塔のうち阿弥陀如来像が浮き彫りされた墓塔。江戸前期・寛文3年(1663)建立。石塔型式は舟型。
 
石塔の最頂部に梵字「サ」。中央に、阿弥陀如来像が浮き彫りされている。脇銘は、「浄慶禅定門不生位霊」「于時 寛文三年 亥卯 二月」(※18)

※18 寛文三年の干支は、「癸卯」(みずのとう)なので、「亥卯」は「癸卯」の誤りと思われる。

恩間新田薬師堂の調査を終え、次の調査場所へ向かった。

次の調査場所へ

次に調査するのは、出羽三山供養塔。薬師堂をあとに十字路を右へ。200メートルほど歩いた右手、個人宅の雑木沿いにある。