木下半助商店
木下半助商店に到着。創業は江戸後期。明治の大火により全焼したが、明治38年の大火後に再建。現在は大工道具や金物を扱っている。2015年に、越谷市では初となる国の登録有形文化財(建造物)に登録された。
大女将
「いらっしゃいませ」。御年92歳の大女将が出迎えてくれた。
木下半助商店では、江戸時代から座売り(ざうり)で商売を営んでいる。今は、お客さんが自由に手に取って商品を選ぶ陳列販売が当たり前になってしまったが、お客さんが希望を伝えると、大女将が商品を出して持ってきてくれる。そして、お客は畳に座って品定めをする。いわゆる「座売り」だ。
店内
店内には、所狭しと、商品がぎっしり置かれている。一見、雑然としているようにも見えるが、大女将は、どの商品がどこにあるのか、すべて頭に入っているという。大女将に長寿の秘訣をたずねたところ「店に立ち続けてお客さんと触れあうこと」という返事が返ってきた。
これは何だかわかりますか?
丸くて棒が付いた鋳物製の道具を手にした案内役の宮川さん。「これは何だかわかりますか?」
これは竹を均等に割る道具で、菊ナタとか菊割りと呼ばれています。柄の部分を両手で持って、竹の切り口に丸い部分を合わせ、ぐっと押し下げていくと、きれいに竹が割れるんです。
小泉家
木下半助商店の正面にあるのは明治8年築の小泉家。明治32年の越谷の大火(通称・芋金火事)で母屋は全焼。現在の土蔵(どぞう)は焼失を免れた当時のもの。母屋は明治32年に再建された。
蔵の脇にあるレンガ造りの壁は「うだつ」と呼ばれる防火壁(上の写真の左端)。明治時代の代表的な防火対策だが、「うだつ」を造るのには大金がかかったので、裕福な商家しか取り付けることはできなかった。立派なうだつは財力の象徴でもあった。
トイレ休憩|越谷産業会館
11時45分。木下半助商店の先隣(さきどなり)にある越谷産業会館でトイレ休憩。
鍛冶忠商店
越谷商工会議所の正面にあるのは、鍛冶忠商店(かじちゅうしょうてん)。明治33年(1900年)に建てられた蔵造りの建物。日用雑貨・荒物などを扱っている。もともとは鍜冶屋(かじや)だったことから屋号はそれにちなんでいる。
鴻巣内裏雛
店内には、鴻巣内裏雛(こうのすだいりびな)と呼ばれる明治時代のおひな様と、吊し雛が飾られていた。
引き続き、旧日光街道を元荒川・大沢橋方面に向かって歩く。
会田金物店
会田金物店(あいだかなものてん)に到着。江戸時代に建てられた(らしい)といわれている歴史を感じる建物だ。近藤勇が泊まったという話も伝わっている。商品の種類も豊富。大工道具の釿(ちょうな)なども売っているので、遠方から大工さんたちが買いに来るそうだ。
はかり屋
会田金物店の対面にあるのは、はかり屋。2018年4月にオープンした古民家複合施設(旧大野屋邸秤屋)。明治38年(1905年)ごろに建てられた土蔵造りの二階建て。商いを営んでいた当時の面影を残したまま残されている。2018年11月に国の登録有形文化財の認定を受けた。
明治時代のおひな様
道路に面した omoté と呼ばれるエリアには、明治時代のおひな様が飾られていた。
市神社
はかり屋から20メートルほど先の角地にある神社は、越ヶ谷宿・本町の鎮守、市神社(いちじんじゃ)。もともとは大沢橋のたもとにあったが、越谷流山線の拡張によって、ここに移された。
旧日光街道|越ヶ谷本町
市神社の前から旧日光街道(元荒川方面)を望んだ風景(越ヶ谷本町)。正面前方に越ヶ谷本町の交差点が小さく見える。信号(越ヶ谷本町)の手前までが越ヶ谷宿。信号の先が元荒川に架かる大沢橋。大沢橋を越えると大沢宿になる。
糀屋 本のある蔵
市神社から旧日光街道を渡った先は、本日最後の訪問先、糀屋(こうじや)。糀屋の屋号で麦味噌づくりを営んでいた味噌醸造販売店の蔵を改装して、2020年5月に「糀屋 本のある蔵」としてオープンした。一階は読書も楽しめるカフェスペース、二階は多目的ギャラリースペースになっている。
雛飾り|二階ギャラリースペース
二階のギャラリースペースでは、雛めぐりに合わせて、段飾りや吊し雛など、絢爛豪華なおひな様が飾られていた。
ちりめん細工
ちりめん細工のかわいいおひな様や人形たちも雛飾りに華を添えていた。
解散
12時10分。糀屋の前で、案内役をつとめた宮川氏があいさつ。一同、お礼の気持ちを込めて拍手。雛めぐりまちあるきガイドツアーはこれにて終了~
宮川氏のあいさつのあと、まとめ役の安田氏から、越ヶ谷宿で、食事が楽しめるお店の紹介があった。段取りの達人・安田氏、誘導のスペシャリスト・中下氏、ご両人にも感謝の気持ちを込めて拍手を送りたいと思います。””ハ(゚∇゚*)パチパチ♪
宮川進氏のお話会
翌日、糀屋の隣にあるこうじや音楽館で、宮川進氏のお話会(旧日光街道越ヶ谷宿を考える会主催)が行なわれた。
2022年2月26日。旧日光街道越ヶ谷宿を考える会主催のお話会が、こうじや音楽館(越谷市越ヶ谷本町)で行なわれた。話し手は、NPO法人越谷市郷土研究会の宮川進氏。「大力持ち卯之助噺」と題し、越谷で生まれ育った日本一の力持ち・三ノ宮卯之助について語ってくれた。
まち蔵カフェでひと休み
ガイドツアー解散後、油長内蔵まち蔵カフェのテラス席で、ひと休み。コーヒーと和菓子のセットをいただく。陶器のカップも素敵。今日の和菓子は、石川県・和倉温泉の老舗旅館、加賀屋のおまんじゅう。風が心地よい。ぜいたくな時間の中で今日のガイドツアーを振りかえった。
後記
そういえば、冒頭で登場してもらった、こしがやエフエムのパーソナリティー・PWさとし(高橋智)さんをすっかり忘れてた。ま、今回は、高橋さんは参加者のひとりだから、一回出てもらえばいいか。
それに高橋さんとは今度、越谷市下間久里にある自家焙煎珈琲店・珈家でランチの約束をしているので、そのときの記事で、たっぷり登場してもらうことにする。高橋さん、それまでちょっと待っててくださいね。
追記|高橋さんと珈家でランチ会
2022年3月7日。ボクの越谷まるこWAONカードのポイントが、7,000ポイントを超えたので、越谷市下間久里にある行きつけの自家焙煎珈琲店・珈家に(株)まちづくり越谷のスタッフ二名を招待。まるこポイント全額還元企画「珈家でランチをふるまう会」を行なった。