2025年2月15日。令和6年度こしがや文化芸術祭(初日)に行ってきた。会場は越谷コミュニティセンター(サンシティホール)。越谷市郷土研究会員の作品をはじめ展示会場の様子をお伝えする。
こしがや文化芸術祭
こしがや文化芸術祭(越谷文化連盟主催)は、市民の文化・芸術活動の成果発表の場として毎年、二日間にわたって開催される。
会場は、ポルティコホール(展示部門)と小ホール(出演部門)
展示部門(初日・二日目)では、郷土研究をはじめ写真・絵画・書道・工芸・華道などの作品が展示され、出演部門(二日目)では、相撲甚句・詩吟・日舞・民謡・民族舞踏・邦楽などの発表が行なわれる。
受付
受付でプログラムをいただく(プログラムは無料)。展示部門会場へ向かった。
展示部門
展示会場(ポルティコホール)に入る。まずは、私が在籍している「越谷市郷土研究会」のコーナーから見ていくことにした。
郷土研究|越谷市郷土研究会
受付のテーブルに、全研究(4編)が掲載された資料(郷土研究・展示作品紹介)が置かれていたので、一部いただく。
今年は、四人の作品が展示された。
- 恩間にある修験者の富士塚
- 盃状穴のある越谷市内の石造物
- 中川流域下水道の人孔(マンホール)
- 茅葺屋根の最後の職人(増林)
以下、今年(2025年)のこしがや文化芸術祭に出品した越谷市郷土研究会員の四作品(論考)を簡単に紹介していく。
①恩間にある修験者の富士塚
一番目は、加藤幸一氏の「恩間にある修験者の富士塚」
越谷市恩間にある修験道(しゅげんどう)の家柄だった民家の敷地内に現存している富士塚に設けられた23基の石塔について詳しく考察している。富士塚とは、富士講(富士山を信仰する集団)の人たちが富士山に模して築いた塚(小山)のこと。
②越谷市内の盃状穴のある石造物
二番目は、私の「盃状穴(凹み穴)のある越谷市内の石造物」
盃状穴(凹み穴)のある越谷市内の石造物(10箇所14基)を調べた。盃状穴(はいじょうけつ)については諸説あるが、なんらかの目的で人為的に掘られたと考えられている盃状(さかずきじょう)の穴(凹み穴)で、石造物に多く見られる。
③中川流域下水道の人孔(マンホール)
三番目は、越谷市郷土研究会の副会長・秦野秀明氏の「中川流域下水道の人孔(マンホール)」
越谷市内の地下に設置されている中川流域下水道◇中央幹線(一期管)◇中央幹線(二期管)◇中央西幹線……の人孔(マンホール)56基のうち54基の写真が、調査ルートの地図とともに発表されている。
④茅葺屋根の最後の職人(増林)
四番目は、山本泰秀氏の「茅葺屋根の最後の職人(増林))」
聞き取り調査をもとに、越谷市増林の茅職人の話と、昭和25年に行なわれた増林・勝林寺本堂の茅葺(かやぶき)屋根の葺き替えと、昭和27年に行なわれた庫裏(くり)の茅葺屋根の葺き替えの様子を克明に記している。
補足
上記の「こしがや文化芸術祭出品作品」は、越谷市郷土研究会のホームページで閲覧可能。リンク先を以下に示す。
http://koshigayahistory.org/r6_b_g.htm
越谷市郷土研究会
越谷市郷土研究会は昭和40年(1965年)に創立されたNPO法人です。
越谷市内外の史跡をまわる史跡めぐりや越谷の歴史についての講演会などのイベントを通じて、越谷の調査研究・郷土の歴史に関する啓発などの活動をおこなっています。会報も発行。
越谷市郷土研究会の入会や活動および研究報告などについては越谷市郷土研究会のホームページをご覧ください。
郷土研究の展示を見終え、他団体の展示作品を観賞した。
絵画
絵画コーナーでは、越谷美術協会に所属する方々の作品が展示されていた。
「懐かしの越谷場所」と題した作品では、越谷市制60周年を記念して、平成30年(2018年)4月27日に越谷市立総合体育館で行なわれた大相撲・越谷場所の風景が描かれていた。
書道
書道コーナーでは、越谷市書道連盟に所属する方々の作品と、「U-20 青春文化祭」と称し、越谷市書道連盟に加盟している教室の生徒さんたち(中高生)の作品が、展示されていた。
続いて工芸コーナーへ
工芸
工芸コーナーでは、越谷市工芸協会に所属している方々の作品が展示されていた。革工芸・パッチワーク・ステンドグラス・トールペインティング・ネオステンドアート……。
フラワーデザイン
こちら(上の写真)は、越谷市デザイン連盟のみなさんが作成したフラワーデザイン。色合いが鮮やか。
生け花
生け花のコーナーでは、越谷市華道協会員の方々の作品が飾られていた。説明によると、生け花には200から300の流派があるとのこと。驚きだ。
茶道
茶道のコーナーでは、越谷市華道協会の理事社中一同によるお茶の体験コーナーが設けられていた。茶席は二日目だけなので、初日のきょうは見学できなかった。
続いて、写真が展示されている小ホールギャラリーへ
写真
小ホールギャラリーに展示されていた、越谷市写真協会員のみなさんによる写真作品は、どれも力作。なかでも埼玉県の無形民俗文化財にも指定されている下間久里の獅子舞(名主の庭の舞)の写真が印象的だった。
獅子舞の写真
この獅子舞の写真は、今回の「こしがや文化芸術祭」の表紙にも使われていた。
出演部門
こしがや文化芸術祭は「展示部門」と「出演部門」に分かれているが、出演部門の発表は二日目なので、初日の今回は、見ることはできなかった。
後記
こしがや文化芸術祭(越谷市文化連盟主催)は、越谷市民文化祭に比べると、やや知名度に欠けるが、市民の文化芸術活動の成果発表の場としての役割は大きい。
また、同時開催された「U-20 青春文化祭」では、若い世代の文化芸術活動の成果発表を見ることができたことも有意義だった。
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