2023年11月24日。黄葉を迎えた越谷市の天然記念物・北川崎聖徳寺のイチョウと根元にある天満宮文字塔を取材し、写真におさめてきた。場所は古利根川に架かる堂面橋から大杉公園通りを300メートルほど直進した右手にある。

聖徳寺のイチョウ

聖徳寺のイチョウ|越谷市北川崎

聖徳寺(しょうとくじ)のイチョウは、山門をくぐった右手にある。左手にもイチョウの巨木があるが、右手が天然記念物のイチョウ。

樹形

聖徳寺のイチョウ(1)

聖徳寺のイチョウは、推定樹齢400年で、「樹高20メートル、幹回り4メートル、幹は地上3.41メートルのところで数本に分かれ、さらに上方で多数の枝を広げて」(※1)いる。

※1 引用元「越谷市指定 天然記念物 聖徳寺のイチョウ」(https://www.city.koshigaya.saitama.jp/citypromotion/rekisibunka/bunkazai/syoutokujiicyou.html)(2023年11月24日閲覧)

樹勢

聖徳寺のイチョウ(2)

樹勢は旺盛。黄葉したイチョウを下から見上げた姿は圧巻。

越谷市の天然記念物

説明板

聖徳寺のイチョウは、昭和59年(1984年)9月27日に越谷市の天然記念物に指定された。平成12年(2000年)3月に設置された説明板には「越谷市内のものでは特に大型であるので天然記念物として指定した」と記されている。

黄葉時期

北川崎聖徳寺のイチョウ(3)

黄葉時期は毎年11月中旬過ぎごろだが、聖徳寺の住職のお母さまの話では、「今年(2023年)は夏が暑かったので(例年より)一週間ほど黄葉が遅い」そうだ。

雌株

イチョウの葉とギンナン

このイチョウは雌株なのでギンナンの実を結ぶ。

天満宮文字塔

イチョウの巨木と天満宮文字塔

イチョウの根元に石塔が一基、置かれている。

形態と主銘

天満宮文字塔

この石塔は天満宮文字塔。江戸末期・文久元年(1861)造立。石塔型式は笠付角柱型の変形。塔身は角柱で、笠が特殊な形をしている。正面の主銘は「天満宮」

脇銘|左側面

脇銘|文久元酉十二月廿五日

左側面は「文久元酉十二月□五日」。「□」の部分はすり減っていて読みとれないが、うっすらと「廿」(にじゅう)にみえる。

脇銘|右側面

脇銘|子供中

右側面には「子供中」と刻まれている。天満宮は学問の神様なので「子供中」は「筆子中」と同義かもしれない。

塩地蔵と石塔群

石塔群|北川崎聖徳寺

参道沿いには、塩地蔵をはじめ庚申塔などがまとめられた石塔群もあるが、本記事の主旨ではないので説明は割愛する。

聖徳寺の場所

聖徳寺|越谷市北川崎

聖徳寺の住所は埼玉県越谷市北川崎18( 地図 )。郵便番号は 343-0006。場所は、堂面橋から大杉公園通りを300メートルほど直進した右手。観音堂の北東。駐車場は参道の中ほどにある。

参考文献

本記事を作成するにあたって、引用した箇所がある場合は文中に出典を明示した。参考にした文献は以下に記す。

参考文献

加藤幸一「新方地区の石仏」平成7・8年度調査/平成31年1月改訂(越谷市立図書館蔵)
越谷市役所『越谷ふるさと散歩(下)』越谷市史編さん室(昭和55年4月30日発行)
日本石仏協会編『新版・石仏探訪必携ハンドブック』青娥書房(2011年4月1日発行)
庚申懇話会編『日本石仏事典(第二版新装版)』雄山閣(平成7年2月20日発行)
外山晴彦・『サライ』編集部編『歴史が分かる、腑に落ちる神社の見方』小学館(2007年7月15日 初版第6刷発行)