2020年10月11日・日曜日。旧日光街道越ヶ谷宿を考える会主催・重陽の節句(ちょうようのせっく)大人のひな祭り~まちあるきガイドツアーに参加した。越谷駅東口周辺(旧日光街道沿い)の宿場町の面影を残す商家や歴史的建造物をはじめ菊の花や吊し雛・雛人形が飾られた古民家や蔵を再生した新しいコミュニティ施設など越ヶ谷宿の新旧スポット21箇所を約2時間かけて巡った。

日光街道 越ヶ谷宿 重陽の節句

日光街道 越ヶ谷宿 重陽の節句

2020年で4回目を迎えた「日光街道 越ヶ谷宿 重陽の節句」。開催期間は10月10日(土)11日(日)の二日間。今年は新型コロナウイルス感染症予防のために規模を縮小して開催された。行なわれた催しは、まちあるきガイドツアーをはじめ会田人形店ワークショップ・はかり屋公開セミナー・ひな飾りとレコード鑑賞・持ってけドロボー市など。

重陽の節句とは

「菊の節句」とも呼ばれ、9月9日に、菊を使って不老長寿を願う日本古来の風習。雛人形を飾ったり、菊の薬効成分を含んだ水や菊酒を飲んだりして、健康や長寿を願う行事で、「後の雛」(のちのひな)「大人のひな祭り」とも呼ばれる。

まちあるきガイドツアー|受付

まちあるきガイドツアーの受付

集合は越谷駅東口・ガーヤちゃんの蔵屋敷前。受付開始は午前9時45分。参加費300円。ガイドツアー参加者札とパンフレットが配られた。今回はマスク着用なので、ガーヤちゃんの蔵屋敷で、ガーヤちゃん藍染めマスクを買った。

出発前挨拶

出発前挨拶

参加者は16人。案内人2人。ガイド担当の旧日光街道越ヶ谷宿を考える会・代表の畔上順平氏から本日の行程が説明されたあと、10時10分、ソーシャルディスタンスを保ちつつツアー出発。

越谷市内では、コロナ過の影響で、春先からほぼすべてのイベントが中止・延期になっていたが、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の解除に伴い、「越谷市における施設使用及び事業実施の目安」を満たすイベントについては実施されることになった。今回の「日光街道 越ヶ谷宿 重陽の節句」と、まちあるきガイドツアーは、それを受けての開催となった。

越ヶ谷駅開設記念碑

越ヶ谷駅開設記念碑

最初に訪れたのは、越谷駅東口ロータリーにある越ヶ谷駅開設記念碑。大正9年(1920年)に越ヶ谷停車場(現・越谷駅)として開設されたのを記念して建てられたもの。越谷駅の歴史が刻まれているほか、開設当時の越ヶ谷停車場や元荒川鉄橋を走る蒸気機関車の写真なども見ることができる。

新町八幡神社

新町八幡神社

続いて訪れたのは新町八幡神社。新町八幡神社(しんまちはちまんじんじゃ)。住所は越谷市越ヶ谷2-2-16。南北朝時代の文和2年(1353年)ごろの建立と伝えられている。境内にはかつて土俵があり、相撲大会もさかんに行なわれていた。参道には「会田石」(あいだいし)と刻まれた力石も置かれている。力自慢を競った昔が偲ばれる。本堂の後ろに見えるのは29階建て高層マンション・グローリオ越谷。越ヶ谷宿の今昔を象徴する風景として写真に収める人も多いと聞く。

旧日光街道

旧日光街道

新町八幡神社の鳥居を抜け、スナックや居酒屋などが並ぶ脇道を50メートルほど進むと、旧日光街道に出る。左に折れ、水色の看板が目印の東京きもの越谷店(越ヶ谷二丁目)を過ぎて、宿場町の面影が残る中町方面へと向かう。道幅は広くないが、この道路は抜け道になっているらしく、意外と車が頻繁に通る。

田中米穀店

田中米穀店

10時25分。3番目の訪問先、田中米穀店に到着(越谷市越ヶ谷2-4-25)。昭和初期に建てられ、二階の菱形をした銅板戸袋(とぶくろ)が特徴的。ご主人が出迎えてくれた。

精米をする田中米穀店のご主人

精米の様子を見せてくれた田中米穀店のご主人。

行徳屋

行徳屋

田中米穀店の斜め前にある行徳屋(ぎょうとくや)。田中米穀店の二階の銅板戸袋は菱形だったが、行徳屋の二階の銅板戸袋は網代(あじろ)型。どちらの戸袋も遊び心が感じられる。

こっぺぱん&食パン Cafe shocomo

こっぺぱん&食パン shocomo

こちら(上の写真)は、こっぺぱん&食パン Cafe「shocomo」(ショコモ)。住所は越谷市越ケ谷2-4-22。以前は赤山町でお店をやっていたが、廃業した店舗をリニューアルして、2020年2月に、この場所に移転した。越ヶ谷宿の新しいグルメスポットとして人気を呼んでいる。

水引工芸スタジオ古川

水引工芸スタジオ古川

10時30分。水引工芸スタジオ古川に到着(越谷市越々谷2-4-21)。元々は駄菓子屋とおもちゃ屋だったが廃業し、水引工芸スタジオになった。教室も行なっている。赤いテント看板は「駄菓子屋 ふるかわ」と昔のまま。

水引工芸作品とプラモデル

店内には水引の作品が展示されているほか、おもちゃ屋のときに売れ残った、昭和時代の懐かしいプラモデルが商品として、わずかに積まれている。今では手に入らないゲームやプラモデルが新品のまま眠っているという噂を聞きつけたマニアが遠方から時折、買いに来るらしい。

横田診療所

横田診療所

7番目に訪れたのは横田診療所(埼玉県越谷市越ヶ谷3-2-30)。桃色の外観が目を引くレトロ感ただよう西洋風の木造二階建てで、洋風を意識した横板張り(南京下見板張り=なんきんしたみいたばり)が特徴。昭和10年(1935年)築。日本人の大工が建てた。昭和35年(1960年)までは郵便局として使われていた。かつては大谷石の塀で囲まれていたが、老朽化のため撤去された。

油長内蔵

油長内蔵

10時40分。油長内蔵(あぶらちょううちくら)に到着。住所は越谷市越ヶ谷三丁目2-19-5。江戸時代、油長(あぶらちょう)という屋号で油屋を営んでいた旧家の古い内蔵を2015年に曳家(ひきや=建築物を解体せずにそのまま水平移動させて他の場所に移すこと)をしてこの場所に移して改修。まちづくり相談処「油長内蔵」として再生された。1階部分はカフェスペース(まち蔵カフェ)、2階は展示スペースになっていて、イベントや日替わりショップなどの運営も支援している。

赤山街道

赤山街道

油長内蔵をあとに西へ60メートルほど歩き、T字路に出て右へ。この道は古道で赤山街道(あかやまかいどう)。江戸時代、赤山(現・川口市赤山)にあった陣屋(役所)まで年貢を運ぶ街道として整備された。越ヶ谷宿から鳩ヶ谷宿まで続く道でもあった。左手は越谷市立越ヶ谷小学校。前方に黒く塗られた板塀(有瀧家の黒塀)が見える。

八百喜参の蔵 ひな飾りとレコード鑑賞|休憩

八百喜参の蔵

10時55分。ツアー前半の最終地点、八百喜参の蔵(やおきさんのくら)に到着(越谷市越ヶ谷3-3)。昔は「八百喜」(やおき)という屋号の魚屋だった。外見は石造りのように見えるが、洗い出しと呼ばれる製法で作られた木造の蔵で、越ヶ谷宿でイベントが催されるときは、蔵の前の庭を休憩所として開放したり、蔵の中の展示物などを見学することができる。

菊の着せ綿

菊の着せ綿

蔵の入口に、真綿をかぶせた菊の花が飾られていた。これは「菊の着せ綿」(きくのきせわた)と呼ばれ、重陽の日(旧暦九月九日=新暦だと十月中旬)に、菊の花に真綿をかぶせ、早朝、朝露を含んだ綿で体を拭いて、無病息災・長寿を願う古来からの風習。

ひな飾り

ひな飾り

蔵の二階には、明治・大正・昭和初期の雛人形やひな飾りのほか吊し雛が展示されていた。旧家ならではの貴重な雛人形や珍しいひな飾りも見せていただけた。

レコード鑑賞

レコード鑑賞

蔵の前ではアナログレコード鑑賞会が行なわれた。まちあるきガイドツアー参加者の年齢層に合わせ、ご主人が、エルビスプレスリーのレコードをかけてくれた。曲は「ハートブレイク・ホテル」。プレスリーはCDで聞くよりもレコードで聴いたほうが味わいがある。

休憩

休憩|八百喜参の蔵

プレスリーのレコードを聴きながら木陰でしばし休憩。通常のイベントでは、このスペースで、地元の演奏家によるミニコンサートが開かれたり、お茶や和菓子の接待が行なわれるが、今回は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために中止となった。ガイドの畔上氏から越ヶ谷宿の歴史や後半の行程などの説明のあとツアー後半へ