埼玉県越谷市登戸町(のぼりとちょう)にある浄土宗の寺院・報土院(ほうどいん)。境内には多くの羅漢像(らかんぞう)が所狭しと置かれている。どの羅漢さんたちもしぐさが個性的。とくに目を引くゆかいな羅漢像ベスト10を紹介する。

報土院

報土院|越谷市登戸町

「登戸閣」と記された扁額が掲げられた山門をくぐると、正面で、手に竹ぼうきを持った小僧さんの石像と、三体の羅漢さん像が、出迎えてくれる。

境内

境内

石畳に沿って歩く。右手に鐘楼堂、鐘楼堂の前には法然上人(ほうねんしょうにん)立像、そして、三本の松の木の下から羅漢さんたちのにぎやかな声が聞こえてくる(ような気配がする)

羅漢像

羅漢像|報土院

羅漢像の数は65体。どの羅漢さんたちも表情やしぐさが豊か。羅漢とは、悟りをひらいて煩悩を断った最上の仏教修行者をさすのだが、どうもなんだか報土院の羅漢さんたちは、まだまだ煩悩が断ちきれていない好好爺(こうこうや)という気がする。
 
報土院の羅漢像は、はじめは 5体ほどだったそうだが、檀家の方々が、折に触れて寄進し、今では 65体にまで増えたという。最初の一体が寄進されたのは平成になってからとのことである。

報土院のゆかいな羅漢像ベスト10

それでは報土院のゆかいな羅漢さん10人を紹介しよう。

10位:ワイルドだろ~

葉巻を吸う羅漢

やっぱり葉巻はコイーバにかぎる。ワイルドだろ~

9位:いけねぇ

しまった~、と言ってる羅漢さん

いけねぇ、今日は法事だったのか。お経じゃなくて落語をやっちゃったよ。

8位:やっぱりトロ!

寿司を食べる羅漢さん

殺生なんてぇ言いますけどねぇ、あたしはやっぱりトロ!

7位:あ~うまい!

酒を飲む羅漢さん

あ~うまい!お酒も修行のうちなんですよ。だからこうして毎日…

6位:昔はよかった

ノートパソコンをする羅漢さん

今はペーパーレスとかで、お経は全部パソコンの中に入っているからたいへんなんだよ。今さらカーソルとかクリックとか言われてもなぁ。昔はよかった…

5位:予習、忘れた

本で顔を隠す羅漢さん

マズい、予習してくるの忘れた。当てられたらどうしよう…

4位:えっ? 炒飯と餃子?

電話をしている羅漢さん

もしもし報土院です。えっ? 炒飯と餃子? うちは中華料理屋じゃありませんよ、お寺です、そう、お寺、ほ・う・ど・いん!

3位:いててて!

虫歯を痛がる羅漢さん

いててて!さすがにもう歯医者に行かないとダメかなぁ。あのキーンっていう音、苦手なんだよ。

2位:与作~♪

カラオケで熱唱する羅漢さん

今年のカラオケ大会は「与作」を歌います。よさく~、よ~さくぅ♪

1位:待った!

将棋を指す羅漢さん

えっ!王手?それ待った!

番外

残念ながらベストテンからは漏れたものの切り捨てるには忍びない羅漢さん四人を番外として紹介する。

こう見えても

昔、『MEN’S CLUB』(メンズクラブ)のモデルをやってました。

もっか特訓中!

そばを食べる羅漢さん

今年のわんこそば越谷大会に向けてもっか特訓中!

え~っと

ソロバンが苦手な羅漢さん

電卓が壊れちゃったんだけど、え~っと、ソロバンの割り算って、どうやるんだったっけかなぁ…

エラいことになった

思案に暮れる羅漢さん

どうしよう。エラいことになった。美豚寺の尼さんとの密会がバレた。破門かなぁ…

最後に

報土院の羅漢さんたち

報土院には、まだまだゆかいな羅漢さんたちが大勢(おおぜい)います。紙面の都合で紹介しきれなかった羅漢さんたち、ゴメンナサイ……。
 
この記事を読んで、報土院の羅漢さんに興味をもっていただけましたら、ぜひ一度、報土院に足を運んでみてください。あなたと波長の合う羅漢さんと、きっと出会えることと思います。また、越谷の癒しスポットとしてもおすすめです。

参拝情報

報土院|越谷市登戸町

報土院の住所は、埼玉県越谷市登戸町20-25( 地図 )。郵便番号は 343-0846。場所は、ファミリーマート越谷蒲生東町店の北側。産業道路(埼玉県道115号越谷八潮線)から西に50メートルほど入ったところにある。山門前に車を駐めるスペースがある。

参考文献

本記事を作成するにあたって参考にした文献を以下に記す。

参考文献

越谷市史編さん室編『越谷ふるさと散歩(下)』越谷市史編さん室(昭和55年4月30日発行)
『新編武蔵風土記稿 第十巻(大日本地誌大系)⑯』雄山閣(平成8年6月20日発行)
埼玉県佛教会・監修『埼玉県寺院全集・埼玉のお寺』千秋社(2001年10月15日発行)
日本石仏協会編『石仏巡り入門―見方・愉しみ方』大法輪閣(平成9年9月25日発行)
庚申懇話会編『日本石仏事典・第二版』雄山閣(平成7年2月20日発行)
外山晴彦・『サライ』編集部編『野仏の見方』小学館(2003年6月10日発行)