2022年2月26日・土曜日。旧日光街道越ヶ谷宿を考える会主催・雛めぐりまちあるきガイドツアーに参加。越谷駅東口周辺(旧日光街道沿い)の古い商家や蔵などに飾られている雅な雛飾りを見学しながら越ヶ谷宿の歴史と文化に触れた。
日光街道 越ヶ谷宿 雛めぐり
毎年、二月の下旬から三月の上旬にかけて行なわれる「日光街道 越ヶ谷宿 重陽の節句」。2022年は、2月26日(土)27日(日)の二日間。まちあるきガイドツアーをはじめ糀屋やはかり屋などで段飾りや吊し雛が展示されるほか、こうじや音楽館では、コンサートや落語会などが催された。
まちあるきガイドツアー
集合は越谷駅東口・ガーヤちゃんの蔵屋敷前。
受付
受付開始は午前9時45分。参加費500円。ガイドツアー参加者札とパンフレットが配られた。今日の越谷市は快晴。参加者のみなさんの晴れやかでウキウキした様子が伝わってくる。ちなみに今回のツアー参加者は14人。
出発前挨拶
出発前に、旧日光街道越ヶ谷宿を考える会・代表の畔上順平氏からひとこと。
越ヶ谷宿には、古い商家や歴史的な建造物が数多く残っています。今回の雛めぐりを通じて、そうした越谷市の財産にも触れていただければと思います。
続いて、本日の案内役をつとめる越谷市郷土研究会の大御所・宮川氏があいさつをしたあと、同会・安田氏から本日の行程と注意事項の説明があった。
10時5分、ツアー出発。
行ってきま~す!
今回のツアーには(株)まちづくり越谷のスタッフで、こしがやエフエムのパーソナリティーもつとめるPWさとしさんこと高橋智さんも参加。高橋さんとは2年前の越谷技博で知り合った。今日は楽しいツアーになりそうだ。
それでは行ってきま~す!
越ヶ谷駅停車場新設記念碑
最初に向かったのは越谷駅東口ロータリーにある越ヶ谷駅停車場新設記念碑。大正9年(1920年)4月に開設された東武鉄道の越ヶ谷駅停車場(現・越谷駅)が、平成11年(1999年)に高架線になって改築されたのを記念して建てられた。
続いて、越谷ツインシティの間の道を直進。
マルシチフルーツ
交差点を渡った右手にあるお店はマルシチフルーツ(越谷市谷市弥生町11-9)。旬のフルーツをはじめ全国から取り寄せた貴重な果物などをお手ごろ価格で扱っている。
マルシチフルーツは地元では越谷の千疋屋と呼ばれています。
千疋屋は言わずと知れた老舗の高級果物店。
江戸時代、越谷は桃の産地として知られ、越谷(武蔵国埼玉郡千疋村)で槍術の道場を開いていた千疋屋の創業者・大島弁蔵が、舟で江戸に桃を運んで販売。それが大当たりして、葺屋町(現在の日本橋人形町)に店をかまえたのが千疋屋の始まり(案内役・宮川氏談)
旧越谷駅前通り
マルシチフルーツから旧日光街道に向かう道は、大正9年(1920年)の越ヶ谷駅停車場開設にともなって造成された旧・駅前通り。かつてはこの通りが越谷駅前のメインストリートだった。現在は、越谷市役所に向かう市役所前中央通りに主役の座を奪われてしまい、寂れてしまった。
マルシチフルーツから50メートルほど歩いて右折。路地に入る。
新町八幡神社
越ヶ谷宿・新町の鎮守、八幡神社に到着。神殿の裏手には29階建て高層マンション・グローリオ越谷がそびえ立つ。越ヶ谷宿の今昔を象徴するような風景だ。
土俵跡
神殿の横手に移動。「この四角いコンクリートは何だかわかりますか?」と、案内役の宮川氏。
これは土俵の跡です。江戸時代から八幡神社では、毎年九月の祭礼のときに、子供相撲の神事が執り行なわれていました。昭和五十年代ごろまで、行なわれていましたが、今は昔の話となってしまいました。
新町八幡神社をあとに旧日光街道に出て右へ
植木屋人形店
植木屋人形店に到着。江戸中期・安永年間(1772年~1780年)に、越谷で最初に雛人形の製作と販売を始めた老舗人形店。
越谷ひな人形の歴史
店主の曾田正三(あいだしょうぞう)氏が、越谷人形の歴史について説明してくれた。
「当家(会田家)は、もともとは植木屋を営んでいたことから『植木屋』の屋号になりました。その後、江戸中期、植木屋人形店の創業者である会田左右衛門が、江戸で人形作りを学んで、越谷で人形の制作を始めたのが、越谷ひな人形の起源です」
なお越谷には「会田姓」が 260 いるという。
越谷段雛
江戸時代(亨保年間)の奢侈禁止令(しゃしきんしれい)によって作られた越谷段雛の複製。越谷段雛は、徳川家にも収められていた貴重なひな人形で、会田氏によると「本物は日本に三点しか現存していない」とのこと。
江戸時代の雛人形
江戸中期・安永年間(1772年~1780年)に製作された会田人形店最古の雛人形。
越ヶ谷わらべ人形
明治20年代に作られた越ヶ谷わらべ人形。明治時代によく売れたそうだ。
絵馬
会田人形店の当主・会田氏が「おもしろいものが二つあります」と見せてくれたのが、稲荷神社の初午のときに奉納する絵馬。今も販売している。
行灯絵
二つ目は行灯絵(あんどんえ)。祭や縁日などに神社や寺の境内や家の軒先に飾る行灯に貼る絵。こちらも販売しているが、作者が高齢のために今はもう行燈絵は描いていないので、ここに展示されている数枚のみ。貴重な品だ。
10時35分。会田人形店を出る。