2023年7月28日。午前11時。越谷市東柳田町にあるそば屋・朝日屋へ。むじなそばを大盛りでいただいた。むじなそばはメニューにはないが、事前にご主人にお願いして、今日は特別に作っていただいた。
むじなそばを注文
店に入り、厨房のご主人と目が合った。「あれお願いします」「あれですね。わかりました」と、ご主人がボクの目を見て力強くうなずいた。
待つこと6分。
むじなそばが運ばれてきた。
むじなそばとは
むじなそばとは、たぬきそばの「天かす」と、きつねそばの「おあげ」が、いっしょに入っているという、ただそれだけのものなのだが、これがじつにうまい。
むじなそばの名前の由来は、ことわざの「同じ穴のむじな」からきている。「一見、違うように見えても、じつは同じである」の意で、「ふたつのものは同類、仲間である」ことのたとえだ。
たぬきときつね。同じ丼の上に載ってしまえば、同じ穴のむじな、ならぬ、同じ丼のむじな、というわけである。
これが朝日屋のむじなそばだ
能書きはこれくらいにして、朝日屋のむじなそばを上から眺めてよう。丼の中は大別すると上下ふたつのエリアに分かれている。
種物(たねもの)は丼の上部に集約されている。左からカマボコ、青菜、ナルト、飾り切りされたゆで卵。丼の下部が、きつねとたぬきの化かし合いゾーン、いわゆるむじなエリアとなっている。
どこから食べようか
さてと、どこから食べようか。まずは上部のたねものゾーンが攻めることにした。並んでいる順番に、カマボコ、青菜、ナルトを食べ、そばをふたくち、みくち。最後に、飾り切りされた卵を食べて、たねものゾーンは制覇した。
ここで再びそばをふたくち、みくち、さらにもうひとくちいただて、むじなエリアへ進撃開始。
まずは、きつねのおあげを一枚たいらげて、そばをひとくち。続いて、ふにゃふゃになりはじめた天かすをレンゲですくって、そばつゆといっしょに飲み干し、ふたたびそばをひとくち、さらにもうひとくち。
最後に、おあげを二枚続けて食べ、残りのそばも全部たいらげ、そばつゆの中に溶け込んだ天ぷらをレンゲですくいながら、つゆも全部飲み干した。
朝日屋のむじなそば、7分30秒で、完食。
メチャクチャ旨かった
丼の中で、タヌキとキツネが化かし合い。同じ穴のむじな、ならぬ、同じ丼のむじな。じつに旨いそばだった。
そもそもボクはたぬきそばときつねそばが大好きで、なんとかいっしょに食べられないものかと、常々思っていた。今日、朝日屋で、「むじなそば」をいただき、その夢が叶った。ボクにとっては、夢のようなそばだった。
そば屋で、こんなに楽しく、幸せな気持ちになったのは、小学一年生のとき、おじに、そば屋に連れて行ってもらって、生まれてはじめて力うどんを食べたとき以来だ。
むじなそばの里・こしがや
朝日屋をはじめ越谷のすべてのそば屋のメニューに加えてもらって、「むじなそばの里・こしがや」というキャッチフレーズで、全国に発信したらどうか? そうなるとキャラクターが必要だ。ムジナもんというのはどうかな、と思ったら、すでに羽生市にムジナもんというキャラクターがいた。残念。
なにはともあれ、朝日屋特製むじなそば、メチャクチャ楽しく、メチャクチャ旨かった。
朝日屋のご主人、ありがとうございました。
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越谷市東柳田町のそば屋・朝日屋。昭和40年(1965)創業。家族二代でのれんを守り続けている老舗だ。2023年6月、42年ぶりに訪問し、カレーライスとおかめそばをいただいた。昔と変わらぬ懐かしの味。昭和と江戸にタイムスリップしたかのようだった。