モノクロの世界に浸れる越谷市瓦曽根の「きっちゃてん」という名の喫茶店。サイフォンで淹れるコーヒーは秀逸。定番メニューのモーニングも昭和世代は郷愁を覚える。知る人ぞ知る大人の隠れ家だ。

きっちゃてん

きっちゃてん|越谷市瓦曽根

2025年1月17日。午前10時。きっちゃてんに到着。れんが色の外壁。白い門柱、赤レンガの階段、白い窓枠の出窓……。外観は、なかなかおしゃれ。

入店

店内

ドアを開けると、店内は昭和50年代。喫茶店を「きっちゃてん」と呼んでいた、懐かしいモノクロの時代にタイムスリップしたかのようだ。

創業43年

絵画とランプ

きっちゃてんは、昭和57年(1982年)開店。越谷に店をかまえて43年になる。オーナーは、今年71歳になるが、今は、息子さん夫婦に店を任せている。

数々の骨董品

空き缶のプロペラ機

店内はログハウスの雰囲気。空き缶を利用して作った黒塗りのプロペラ機、昭和初期の公衆電話、アンティークな柱時計やステンドグラスなど、骨董屋をのぞいているようだ。

カウンター席

カウンター席

カウンター席に座った。木目の古びた感じがなんともいえない。43年の歴史を物語っている。ホットドッグのモーニングを注文した。

サイフォンコーヒー

サイフォンコーヒー

きっちゃてんの魅力は、なんといってもサイフォンで淹れるコーヒー。サイフォンコーヒーが飲める店は、今は、ほんとに少なくなった。

いい香り

サイフォンコーヒー

二代目がていねいに淹れるサイフォンコーヒー。見ているだけで楽しい。いい香りだ。コーヒーが抽出される過程をこうしてじっくり楽しめるのはカウンター席の特権。
 
コーヒー豆は、コロンビア産の有機栽培で生産された豆を使っている。

陶器のカップ

陶器のコーヒーカップ

淹れたてのコーヒーが、陶器のカップで運ばれてきた。
 
きっちゃてんで使われている陶器のカップ&ソーサーは、先代が、笠間や益子など各地をまわって集めたもの。ひとつひとつに先代のこだわりが感じられる。
 
サイフォンで淹れたコーヒーを陶器のカップでいただく。まさに昭和の喫茶店。
 
コーヒーは、香りが強く、すっきりした飲み口。この感じはサイフォンコーヒーならでは。ハンドドリップとはまた違った味わいだ。

モーニング

ホットドッグのモーニング

喫茶店といえばモーニング。大学生のとき、午前中、1限目の講義が休講になると、きまって大学近くの喫茶店に、モーニングを食べにいった。
 
モーニングといってもホットコーヒーにトーストとゆで卵が付いただけのものだったが、値段は250円。しかもトーストはおかわりができた。48年も前の話だけど。
 
話が脱線した。
 
きっちゃてんのモーニングの話に戻して――

ホットドッグのモーニング

モーニグセット

きっちゃてんのモーニングのメニューは、8種類。ボクは、ホットドッグのモーニングにした。ホットコーヒーのほかに、ソーセージとハムのホットドッグがナント二個。それに、ゆで卵とサラダとヨーグルトが付いてくる。
 
ホットコーヒーといっしょに食べるホットドッグのうまいこと、うまいこと。文句なし。

後記

アイスコーヒー

せっかくなので食後にアイスコーヒーもいただいた。すっきりした飲み口で、なかなかおいしい。ほっとひと息つける。
 
令和の今、昭和の雰囲気を感じる喫茶店は、姿を消していくばかりだが、先代の築いてきた店を息子さん夫婦が継いでいる「きっちゃてん」
 
ボクら昭和世代にとって、モノクロの世界に浸れる大人の隠れ家だ。

営業情報

きっちゃてん|越谷市瓦曽根

「きっちゃてん」の住所は埼玉県越谷市瓦曽根3-6-58( 地図 )。営業時間は10時から17時。定休日は第二第四日曜日と年末年始。ランチタイムは10時から13時まで。電話番号などは Instagram で要確認。