実践編
テイスティング編
美味しいコーヒーの淹れ方を伝授されたあと、深煎り・中深煎り・中煎り・浅煎りコーヒーのテイスティング(飲み比べ)が行なわれた。通常のコーヒーカップだと続けて4杯飲むのはきついので、テイスティングカップと呼ばれる小さなカップが使われた。
深煎り|ケニアAA
テイスティングの一杯目は、深煎りのケニアAA。ケニアで最高級豆のグレードを示す「AA」が付くコーヒーだ。ケニアには標高の高い山が多く、コーヒー栽培に適した肥沃な火山灰土壌が広がっているので、質の高いコーヒーが産出されている。
ケニアのコーヒー豆は肉厚で大粒のため火が通りにくいので、焙煎度は深煎りから中深煎りが向いている。珈家ではケニアAAは深煎りで提供している。味の特徴はなんといっても上質な苦味と上品な香り。のびのあるコクも魅力だ。アフターテイストにほのかな甘みが感じられるのも特徴。珈家のケニアコーヒーの味に衝撃を受け、常連になったという客も多い。
コーヒーの風味は温度とともに変化します。淹れたての温度が高いときには苦味、温度が下がるにつれてコクや香りが加わり、最後に甘みが出てくるので、コーヒーは一気に飲むのではなく、ゆっくりと味の変化を楽しんでください。
中深煎り|グアテマラ
続いては、中深煎り・グアテマラのテイスティング。3,000メートル級の多くの火山を有するグアテマラは中南米でもコーヒー栽培が盛んな国で農園も大小さまざまある。生産者と輸出業者で運営されるコーヒー農園支援も行なわれているので、高品質のコーヒーが数多く輩出されている。
個性的な味わいが楽しめるグアテマラ。珈家では中深煎りで提供されている。豊かなコクとフルーツ系の酸味のほかにチョコレートのような香ばしい風味を併せ持つ。鼻から甘い香りが抜けていき、余韻が長く残るのもグアテマラの特徴だ。
うちの店ではグアテマラを注文するお客様は少ないんですが、根強いファンもいらっしゃるので、定番からは外せません。香り・酸味・苦味・コクのバランスがとれた美味しいコーヒーですので、今度、うち(珈家)に来たときは、ぜひ一度グアテマラを飲んでみてください。
中煎り|クリスタルマウンテン
テイスティングの三杯目は中煎りのクリスタルマウンテン。キューバ産コーヒーの最高級豆だ。キューバ産のコーヒー豆の中で3パーセントから4パーセントしか採れないという稀少な逸品。酸味・コク・苦味のバランスがとれた芳醇で上品な香りが特徴。カリブ海の真珠とも呼ばれる。
珈家では不定期だがクリスタルマウンテンも提供している。値段は少々高めだが、香りと味は秀逸。コーヒー教室に参加した三人もクリスタルマウンテンを飲めるとは思っていなかったようで、カリブ海の真珠をじっくり堪能した様子であった。
コーヒーは山の名前を冠にした銘柄も目立ちます。キューバ産クリスタルマウンテンのほか、ジャマイカのブルーマウンテンやコロンビアのエメラルドマウンテンが有名ですね。キリマンジャロもタンザニアの山の名前です。そのほか、インドネシアのガヨマウンテンやエクアドルのルビーマウンテンというのもあります。
浅煎り|イルガチェフェ・コケ
テイスティングの最後、四杯目は、浅煎りのイルガチェフェ・コケ。産地はエチオピア。標高2,000メートルを超えるイルガチェフェ地区のコケ村で産出される。イルガチェフェはエチオピアコーヒーの中でもトップクラスの品質を誇る。
イルガチェフェの個性である酸味を引き出すために珈家では浅煎りで焙煎している。やわらかな良質な酸味と、ダージリンを感じさせる風味、上品な甘みが特徴。赤ワインのような風味、とも表現される。「こんな風味のある酸味系のコーヒーを飲んだのははじめて」。参加者一同感動した様子であった。
イルガチェフェ(Yirga Chefe)は、「イルガチェフ」「イルガシェフェ」と表記されることもありますが、エチオピアの公用語であるアムハラ語では「イルガチェフェ」という発音に近いですね。うち(珈家)では、「イルガチェフ」「イルガチェフェ」と呼んでいます。
違いの分かる男、飲み比べに挑戦!
最後に、参加者を代表して、PWさとしさんが、二種類の浅煎りコーヒーの飲み比べに挑戦。銘柄は「ベレカ」(ウォッシュド)と「イルガチェフェ・コケ」(ナチュラル)。マスターの淹れた二種類のコーヒー。まずは香りを確かめたあと、ひと口ずつ交互に飲む。
どう? 違い、分かる?
う~ん……。そうですねぇ……。酸味系というか、どっちもインスタントコーヒーじゃないということは分かります。
って、それじゃダメじゃん(笑)
参加者全員に好きなコーヒー豆のプレゼント
なごやかな雰囲気の中、コーヒー教室は終了。参加者全員に、それぞれ好きなコーヒー豆100グラムがプレゼントされた。「今日、マスターが淹れてくださったコーヒーに感動しました。別途、三種類ほど買っていってもいいですか」と、参加者のひとりの男性が、興奮気味に言った。
質疑応答と本日の感想
カウンター席で注文したコーヒー豆が届くのを待つ三人。珈家のマスターがチャック付きのアルミ袋に入れて持ってきた。最後に質疑応答と、参加者から本日の感想が語られた。
焙煎してからのエイジング、煎り時間、淹れてから冷めていく温度の違いでも、味が変わってくるのがおもしろいですね。コーヒーの奥の深さを垣間見ることができました。次回、珈家さんに来るときまでには、ベレカとイルガチェフェの違いが分かるように、コーヒー道に精進します!
違いの分かる男、PWさとしさんのリベンジ宣言で、二時間のコーヒー教室は幕を閉じた。
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越谷市下間久里の自家焙煎珈琲店・珈家(かや)。2015年3月の開店以来、通い続けている自称・筆頭常連客のボクが、コーヒーの選び方をはじめ人気のランチメニューなど、珈家の魅力を余すところなくご紹介。それではみなさんを珈家にお連れいたします。
珈家の営業情報
珈家の住所は、郵便番号 343-0045 埼玉県越谷市下間久里772( 地図 )。営業時間は、午前11時から午後5時まで。定休日は月曜日・火曜日・水曜日。駐車場は17台。最寄駅は東武伊勢崎線のせんげん台駅・東口だが、歩くと20分かかる。タクシーだと5分。路線バスは通っていない。
ホームページ
珈家では、通販でコーヒー豆の販売も行なっている。詳細はホームページで確認してほしい。新入荷の豆や今月のサービス豆などの案内も要チェックだ。
珈家は、2015年3月1日(日)に埼玉県越谷市にてオープンしたコーヒー専門店(コーヒーの提供&焙煎豆の販売)です。生家が農家であるというロケーションを生かしながら、自宅横の家屋を改築し古民家カフェを開きました。皆様のご来店を心よりお待ちしております。
珈家のマスターがこしがやエフエムの取材を受けました
2021年3月15日・月曜日。こしがやエフエムの「越谷先達」コーナーに珈家のマスター・福田さんが出演しました(収録放送)。インタビュアーはこしがやエフエムのパーソナリティー・秡川たえさん。収録日は3月10日。場所は珈家。収録および取材の様子が YouTube にアップされました。