石塔群
堂舎横
堂舎横のブロック塀沿いに二基の石塔が並んでいる。
名号塔
向かって左側は、名号塔(みょうごうとう)。江戸末期・文久2年(1862)造塔。石塔型式は山状角柱型。正面の主銘は「南無阿弥陀佛」(なむあみだぶつ)
名号塔とは、阿弥陀如来をたたえる「南無阿弥陀仏」の六字(名号)が刻まれた文字塔のこと。六字名号塔とも呼ばれる。
四字の「阿弥陀仏」、九字の「南無不可思議光如来」、十字の「帰命尽十方無光如来」が刻まれた名号塔もあるが、一般的には、名号塔といえば「南無阿弥陀仏」と刻まれた文字塔のことをさす。
脇銘
左側面の脇銘は、「供養塔」「文久二戌年」「六月吉日」
僧侶の墓塔
向かって右側は、僧侶の墓塔。江戸中期・明和5年(1768)造塔。石塔型式は角柱型。
正面最頂部に梵字「ア」。主銘は「良慶法師 位」。脇銘は「信州高井郡安源寺村住人」「明和五子天四月十三日」
銘文から、この石塔は、信州(信濃国・長野県)高井郡の安源寺村(あんげんじむら)出身の僧侶・良慶の墓石であることがわかる。
場所
上間久里閻魔堂の住所は、埼玉県越谷市千間台東3-1-15。場所は、旧日光街道と日光街道が交差する「陸橋入口」から南西50メートルのブロック塀沿いにある( 地図 )
参考文献
本記事を作成するにあたって、引用した箇所がある場合は文中に出典を明示した。参考にした文献は以下に記す。
加藤幸一「桜井地区の石仏」平成5・6年度調査/平成31年8月改訂(越谷市立図書館蔵)
越谷市役所『越谷ふるさと散歩(下)』越谷市史編さん室(昭和55年4月30日発行)
『新編武蔵風土記稿 第十巻(大日本地誌大系)⑯』雄山閣(平成8年6月20日発行)
『越谷市金石資料集』越谷市史編さん室(昭和44年3月25日発行)
庚申懇話会編『日本石仏事典(第二版新装版)』雄山閣(平成7年2月20日発行)
日本石仏協会編『石仏巡り入門―見方・愉しみ方』大法輪閣(平成9年9月25日発行)
日本石仏協会編『新版・石仏探訪必携ハンドブック』青娥書房(2011年4月1日発行)
謝辞
本記事をまとめるにあたって、越谷市郷土研究会顧問・加藤幸一氏の指導を仰ぎ、スケッチ提供のほか、校閲もしていただきました。加藤氏には心からお礼申しあげます。