2024年3月3日。越谷コミュニティセンター小ホールで、第39回越谷市郷土芸能祭が行なわれた。下間久里の獅子舞やお囃子など、越谷に伝わる伝統芸能を子供たちが披露。日ごろの稽古の成果を発揮した。
第39回越谷市郷土芸能祭
今年で第39回目を迎えた越谷市民文化祭。越谷市内に伝わる伝統芸能を保存・継承している団体が披露するほか、市内に伝わる伝承民謡の体験などが行なわれる。
受付
小ホールの受付で、プログラムと、体験コーナー「越谷の伝承民謡」テキストをいただいた。
演目
- 巫女舞
- 越谷の木遣
- お囃子
- 下間久里の獅子舞
- 南越谷阿波踊り
- 伝承民謡の体験
- 越谷伝承民謡民舞(祝い唄)
- 祭りばやし
- 和太鼓
三頭の獅子頭がお出迎え
展示コーナーで、獅子舞に使われる三頭の獅子頭(ししがしら)が出迎えてくれた。向かって左は、神明はやし連中の獅子頭。中央は、大相模後方はやし連中の獅子頭。右は、谷中はやし連中の獅子頭。
神明はやし連中
神明(しんめい)はやし連中(れんじゅう)の獅子頭。神明の神楽(かぐら)の起源はつまびらかではないが、古くは「根郷(ねごう)の神楽」といわれ、明治のはじめには神楽師が活躍していた。
大相模後方はやし連中
大相模後方(おおさがみうしろかた)はやし連中の獅子頭。大相模後方の獅子舞は、80年以上の歴史をもち、さまざまな厄除けとして継承されてきた。現在は、毎年7月8日に近い日曜日(祈祷の日)に行なわれている。
谷中はやし連中
谷中(やなか)はやし連中の獅子頭。谷中の祈祷獅子(きとうじし)は、100年以上の歴史をもち、医学や薬の乏しい時代は、村で誰かが病気になったとき、獅子を舞い、悪病退散を神に祈ったという。
鑑賞
時間は午後1時45分。会場の小ホールでは、越谷の木遣(きやり)がちょうど終了し、次の演目まで5分間の休憩になったので、観覧席のいちばん前を陣取った。
お囃子
午後1時50分。本日三番目の演目は、荻島小学校おはやしクラブの児童たちによるお囃子(はやし)。「仁羽」(にんば)と「トッパ」、二曲が披露された。
仁羽
一曲目は仁羽。笛・鉦(かね)・太鼓に合わせて、ひょっとこのお面を顔の左側につけた八人の踊り手が、扇を使って舞う姿はなかなか堂に入っている。
トッパ
二曲目はトッパ。仁羽では緊張気味だった児童たちも、トッパになると緊張もやわらぎ、日ごろの練習の成果を遺憾なく発揮しているように見えた。
荻島小学校おはやしクラブは平成6年(1994年)に設立された。今年(2024年)で、創設30周年を迎える。越谷市郷土芸能保存会・会長の指導のもと楽しく練習に励んでいるそうだ。
演奏と踊りを終えた子どもたちに、会場から大きな拍手が送られた。
下間久里の獅子舞
続いての演目は、桜井南小学校獅子舞クラブの児童たちによる「下間久里(しもまくり)の獅子舞」。下間久里の獅子舞は、江戸時代の初期ごろから続けられてきた歴史のある祭りで、埼玉県の無形文化財にも指定されている。
下間久里の獅子舞|演舞
下間久里の獅子舞は、毎年7月第3日曜日に香取神社で奉納される。舞いの形態は、三匹獅子と呼ばれるもので、16の曲目が継承されている。
本日は「地固め」「津島」「はや」の三曲が披露された。
お見事!
観賞終了
下間久里の獅子舞が終わり、このあとも南越谷阿波踊りや越谷伝承民謡民舞など、演目は続くのだが、時間の都合もあって、午後2時半、会場をあとにした。
後記
お囃子・獅子舞・木遣など、越谷市に伝承されている伝統芸能を子どもたちが継承してくれていることをうれしく思った。
今回は観賞できなかった「巫女舞」「木遣」「祭りばやし」など、次回(来年)は、ぜひ見てみたい。
越谷の伝統をつむぐ子供たちに拍手……。
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